SecretSauce、Sandy CarterのAIマーケティング・コンパニオンに登場

すべてのマーケターがAIを使える時代になった。あらゆるブランドがコンテンツを大量生成できる。それなのに、なぜこれほど多くのコンテンツが似たり寄ったりに見えるのか。いや、それどころか、まるで別のブランドのものに見えることさえある。
最近の「The AI Marketing Companion」のエピソードで、ホストのSandy CarterがSimon Davis(wearemighty.aiの共同創業者兼CEO)と対談した。テーマは、マーケティングチームが今まさに直面している大きな課題。AI生成コンテンツが溢れる世界で、どうやってオリジナリティとブランドの一貫性を保つか、だ。
wearemightyを創業する前、SimonはApple、Disney、Razerとのパートナーシップを通じて、数百万人がプレイする45本以上のゲーム制作に関わった。そこに転機が訪れる。2500万点のブランドアセットを作るという依頼だ。その挑戦が、多くの組織がまだ気づき始めたばかりの問題を浮き彫りにした。AIはコンテンツをいくらでも生成できる。しかし、大規模でブランドのアイデンティティを維持するのは、まったく別次元の問題だ。
すべてを変えた依頼
2022年、Simonのゲームスタジオは数百万通りの組み合わせで独自のヒーローキャラクターを生成しようとしていた。Stable DiffusionやMidjourneyといった初期の生成AIツールに頼るしかなかった。その規模をこなす方法が、他になかったからだ。
しかし結果は、何一つまとまらなかった。
「気に入ったアセットが一つ出ても、再生成したら何かが壊れる。突然、服がおかしくなったり、肩がズレたりする。同じアセットを再生成しても、顔が少しずつ変わってアーティファクトが出てくる。」
チームは3年かけて社内ツールを構築し、この問題を解決した。世界最大級の広告代理店に勤める友人にデモを見せたとき、反応は即座だった。「すごい。これ、使わせてもらえる?」
「『いや、これは社内ツールだから。サポートする体制もないし』って言ったんですよ。」でも問い合わせは止まらなかった。「これは自分たちのビジネスだけでなく、ブランドアセットやSNSコンテンツを持つあらゆるビジネスに役立つツールだと気づいた。」
その社内ツールがSecretSauceになった。
すべてのマーケティングチームが直面する三重の圧力
Simonは今マーケターが置かれている状況を「三重の圧力」と表現した。
- 一つ目は高まる期待だ。「AIの時代、すべての経営者はこれまで以上に多くのコンテンツを、これまで以上に多くの場所に届けることを求められている。」その日もロンドンの誰かから中国のSNS向けコンテンツ制作の相談を受けたと言う。AIの時代、経営陣はどこにでも存在することを期待している。
- 二つ目は、その需要に応える方法が二つしかなく、どちらも問題があることだ。「AIでスケールしようとすれば、ブランドに合わないコンテンツが生まれてブランド価値が落ちる。お金をかけて大勢の人を雇えば、コストが膨らんで収益性が下がる。どちらにしても損をする。」
- 三つ目は競争だ。Simonはこれを「ブランド版マンハッタン計画」と呼んだ。自分の業界でAIを正確に大規模展開した最初の企業になろうと、すべてのブランドが競争している。「それを最初に実現したブランドは、何十万もの異なるバリエーションを検証し、本当に機能するクリエイティブを見つけ、市場を制することができる。」
ROIの罠
AIはコンテンツ生成を速く、安くした。しかしSimonは、ほとんどのチームが本当のコストを測れていないと言う。
「クリエイターに多額の費用をかけても、10本のうち実際に使えるのは2本だけ、ということがある。1本あたり100ドルかけているとしたら、実質的なコストは500ドルにレビュー時間を足した額になる。でも皆、AIについてそういう考え方をしていない。インプットのコストしか見ていないが、実際の人件費やビジネスコストははるかに高い。」
Sandyは実際の事例でこの点を補強した。Nikeが最近、AIっぽい表現に頼りすぎた広告で批判を受けた。別の企業は信頼をテーマにしたキャンペーンでAI生成の俳優を起用したが、その一人が6本指だった。コメント欄は厳しかった。本物の人間さえ使えない会社を信頼できるわけがない、と。
「Nikeであろうと小さな会社であろうと関係ない」とSandyは言った。「これには大きなリスクが伴う。」
ブランドドリフトは静かな殺し屋
Sandyはバイラルになった例を紹介した。ドウェイン・ジョンソン(ザ・ロック)の写真をAIに渡し、同じ画像を何度も何度も描き直させると、最終的に「ほぼ卵のような姿」になり、最後のバージョンでは元の画像とまったく無関係な青いマーベルのコスチュームを着ていたという。
これがブランドドリフトの実態だ。AIツールが固定された真実の源ではなく、自分自身の出力を参照し続けるとこうなる。
「汎用の大規模モデルは単発の作業には使えるが、あなたのブランドには見えないし、ブランドの記憶を保持しない」とSimonは言う。「自分のブランドや会社のブランドを、誰にでも使えるツールに任せたいとは思わない。自分のビジネスか特定のユースケースに合わせて構築されたものを使う。」
SecretSauceの答えが、Simonの言う「ブランドブレイン」だ。ロゴ、製品カテゴリ、トーンオブボイス、ターゲット、価値観、レイアウトルール、やるべきことと避けるべきことを保持する記録システムだ。「コンテンツを再生成するとき、前の写真を基に新しいアセットを作るわけではない。常に真実の源を参照している。」
プラットフォームには「ブランドガード」もある。インプットとアウトプットの両方にコンピュータービジョンでチェックを入れる。「アウトプットが間違っていれば、あなたを介さずにエージェントが作業をやり直し、ブランドガードを通過するまで繰り返す。」
「機械だから自動化されている。それでも出てきて『いや、これは違う』と思う瞬間はある。そのときはもう一度送り返す。」それでもガードレールがあることで、無駄とドリフトは大幅に減る。
AIコンテンツの80/20ルール
この対談で最も実践的な気づきの一つが、時間をどこに使うべきかというSimonの考え方だ。
「いつも言うのですが、時間の80〜90%は情報を与えることに使い、実際にコンテンツを生成するのは10〜20%でいい。与える情報と労力が多いほど、コンテンツは速く正確になり、失敗による無駄も減る。」
その日、潜在的なクライアントのためにサンプル動画を作った実例を話してくれた。「実際に動画を生成していた時間は、おそらく全体の20%。残りの80%は、この場所の写真を見せて、どんな人が来るのかを伝えて、できるだけ多くのコンテキストと情報を与えること。そして『動画を生成するのではなく、まずストーリーボードを作って』と伝えることに使った。」
多くの人のAIツールの使い方との対比は明快だ。「AIは世界で最も優秀なインターンだが、あくまでインターンだ。情報とコンテキストを与えて指示を明確にすればするほど、素晴らしい結果が出る。でも『このテーマパークの30秒動画を作って』とだけ言って他に何も教えなければ、満足できる結果にはならない。」
その逆を彼は「プロンプトのくじ引き」と呼ぶ。「100回に1回は最初から良いものが出るかもしれない。でも時間をどう使うかを考えるとき、運に頼るのはビジネス戦略として優れているとは思えない。」
それでも人間が重要な理由
SandyはBCGとマッキンゼーの調査を引用し、企業のAI成功の20〜30%しか技術そのものに起因しないと指摘した。残りは人とプロセスだ。Simonはこれに同意し、SecretSauceで最良の結果を出している人に明確なパターンがあると語った。
「戦略的な思考を持つ人は、本当にずば抜けた結果を出す。」
彼はまた、AIに任せるべき仕事と人間が守るべき仕事を区別した。「代理店や制作の予算の85%以上が、リサイズやローカライゼーションといった作業に使われている。私はそれをデザイン管理業務と呼んでいる。それをできる限り自動化して、人が80%の時間をすばらしいキャンペーンを考えたり、オーディエンスへの新しいアプローチを考えたりすることに使えるようにしたい。」
AIがまだ苦手なこととして、コピーライティングを挙げた。「私は言葉にこだわる。ボット内のコピーライティングにはまだ100%満足していない。そこは難しい。」誰もが感じるAIっぽい表現の問題も認めた。ダッシュの多用、型にはまった書き出し。「優れたコピーライターは価値がある。戦略家と同じで、明確に考えをまとめてクリエイティブビジョンを伝えられる人は、本当に良い結果を出す。」
エージェントに自律公開を許すべきか
Sandyは多くのマーケティングチームが今考えている問いを提起した。AIエージェントが単にコンテンツを生成するだけでなく、承認して自律的に公開するようになったらどうなるか。
Simonは迷わなかった。「今のエージェントには公開を任せられない。いつかそうなるかもしれないが、すぐには無理だと思う。」
その理由は品質管理にとどまらない。「エージェントは時代の空気や周囲の出来事を把握できない。ある日は問題なかった投稿でも、ニュースの出来事によって翌日は大問題になることがある。エージェントはそれを察知できない。」
公に話したことがないと前置きしながら、ある体験を明かした。「ソーシャルメディアの投稿を分析させるためにエージェントを動かしていた。フィードバックをくれればよかっただけなのに、私の承認なしに、まったく事実ではないことを投稿してしまった。」
「エージェントがいかに未熟で、ガードレールを守るのが苦手かを示している。いかなる状況でも、エージェントに承認と公開を任せることは勧めない。」
SecretSauceにはSimonが「精力的なエージェント」と呼ぶものがあり、24時間ニュースを収集し、キャンペーンアイデアを生成し、アセットを作り続ける。しかし最終チェックは常に人間だ。「届いたものを確認して、フィードバックして、公開するか決めるのはあなた自身だ。」
「ブランドへのダメージは数百万ドルの損害につながることもある。公開をエージェントに任せるつもりはない。」
まず始めること
今四半期にマーケターが取るべき一つの行動をSandyに聞かれると、Simonはシンプルに答えた。
「とにかく始めること。AIは怖く見えるかもしれないけど、一つのことから、小さく始めればいい。小さな一歩が積み重なって、気づけばかつては信じられないと思っていたことを、まるで魔法みたいに当たり前にこなしている。」
ただし一つ注意点を加えた。生産性の罠は本物だと。「これほど長時間働いたことはない。数年前と比べて生産性は5〜10倍になったと思う。でも、かなり中毒性があるから、労働時間も増えている。」